映画【Fukushima 50】の紹介:あらすじ・見どころ・解説・感想

2020年公開映画

映画【Fukushima 50】のあらすじ

東日本大震災による大津波によって福島第一原子力発電所は全電源喪失の事態に陥る。それは同時に原子炉爆発という東日本が放射能により汚染されるという日本最大の危機でもあった。当時の福島原発の現場職員が命を懸けてその危機と全力で戦い守りぬいたストーリーです。実際に起こった危機を忠実に再現された作品で、いつの時代も日本は最前線で戦う名のなき戦士によって支えられている事がわかる作品です。

公開は2020年で東日本大震災というセンシティブな題材をおよそ10年の時を経て忠実に再現することにより当時の現場職員が命懸けで日本を救ってくれた事を表現した社会的作品です。受賞歴は第44回日本アカデミー賞、最優秀監督賞、優秀主演男優賞など主要12部門を受賞、第63回ブルーリボン賞、作品賞受賞という日本映画界の主要な賞を総なめにした作品です。原作は門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』でありジャーナリストである彼が震災後一人一人にインタビューし当時の状況をリアルに取材したものを基本に忠実に再現され作られています。

東日本大震災による大津波によって福島第一原子力発電所は全電源喪失の事態に陥るという衝撃的なシーンから物語は始まります。原発所長吉田昌郎と 1・2号機当直長伊崎利夫が中心となり原発の圧力容器爆発の危機に対応していきます。現場は爆撃あとのような被害、東京電力本店、日本政府も初めての事態に混乱を極めます。現場の伊崎は放射能被曝覚悟で原子炉圧力弁を人力で開ける決死隊を募り原子炉に何度も突撃していきます。所長吉田昌郎は電源回復に務めますが不可能であると知ると原子炉に直接海水を注入する作戦を立て実行に移していきます。タイムリミットは原子炉圧力容器が爆発するまでの間という誰も知りえない現実の中でした。

映画【Fukushima 50】の見どころ・感想

まず、本作の最大の魅力は、現実の出来事に基づいたリアリティのある描写です。震災の瞬間から、福島第一原子力発電所で働く作業員たちの苦闘が臨場感たっぷりに描かれています。

彼らは自分たちの命を賭して、放射能に晒されながらも原発の制御を試みる姿勢に感銘を受けました。

特に、放射能被曝覚悟で原子炉圧力弁を人力で開ける決死隊を募るシーンです。

火野正平演じる当直長大森と吉岡秀隆演じる5・6号機当直長前田拓実のやり取りが現場を守る責任と放射能被曝の状況の中で突撃するのは老人で若い者には残って欲しいという思いがぶつかるシーンは印象的でした。

いつの時代も日本はこのような現場の名もなき戦士が体をはり守ってくれている事を思い出させてくれました。先の大戦での特攻隊に志願する戦士とつながるものを感じました。

また吉田所長と本店、政府とのやり取りのシーンも見どころです。吉田所長の苛立ちとワザととぼけているところがいいです。理想ばかりを言う大本営と竹やりで戦っている現場に挟まれる所長の姿をよく表しています。

作品全体をとうして現場の職員が命を懸けてこの危機に立ち向かう姿は何か忘れかけていたものを思い出させてくれました。涙無しには見れない作品でした。

日本人ならば日本を守ってくれてありがとうという感謝の思いをこめて見るべき作品だと思います。

映画【Fukushima 50】のキャスト

伊崎利夫/佐藤浩市
福島第一原発1・2号機当直長。当直として現場の中央制御室にいた。
吉田昌郎/渡辺謙
福島第一原発所長。
前田拓実/吉岡秀隆
5・6号機当直長。
浅野真理/安田成美
緊急時対策室・総務班。
野尻庄一/緒形直人
緊急時対策室・発電班長。
大森久夫/火野正平
中央制御室・管理グループ当直長。
平山茂/平田満
中央制御室・第2班当直長。
井川和夫/萩原聖人
中央制御室・第2班当直副長。
伊崎遥香/吉岡里帆
利夫の娘。
滝沢大/斎藤工(齊藤工)
遥香の恋人。
伊崎智子/富田靖子
利夫の妻。
内閣総理大臣/佐野史郎

映画【Fukushima 50】のスタッフ・制作会社等

監督:若松節朗
原作:門田隆将
脚本:前川洋一
製作代表:角川歴彦
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎
製作:堀内大示 大角正 布施信夫 井戸義郎 丸山伸一 安部順一 五阿弥宏安 飯塚浩彦 柴田建哉 岡畠鉄也 五十嵐淳之
企画:水上繁雄
企画プロデュース:椿宜和
プロデューサー:二宮直彦

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