映画【七つの会議】のあらすじ
電機メーカーを舞台に「働くことの正義とは」を問いかける企業エンターテインメント。
社員にとっては利益を出すことが正義、その見返りで出世の道が開かれる。しかし社内的地位が上がれば責任が重くのしかかってくる。その責任は誰に対しての責任なのか、企業への責任か?消費者への責任か?
責任=正義の認識の違いが大きな問題となる。
銀行や企業を題材とした小説が人気の池井戸潤さんの原作(2012年)を映画化。
原作が発行された当時の社会情勢は、緩やかに拡大していた景気が後退局面を迎え大手家電メーカーの業績悪化が話題となり、企業の不正を題材にしたこの小説は翌年ドラマ化された。
映画が公開された2019年は、働き方改革法関連法の施行など企業内での企業責任や個人の意識改革が話題となる社会情勢の中、公開されました。
主演に狂言師 野村萬斎さんを迎え、取り囲むキャストには池井戸潤さん原作ドラマの常連で固めた個性派ぞろいのエンターテインメント映画です。
親会社からのプレッシャーが厳しい中堅電機メーカーの営業会議、毎回売上目標達成の営業一課と未達の営業二課。
営業一課は売上目標達成のため課全体で激務をこなしていた。そんな中、会議中に居眠りするような営業一課社員の八角の怠慢な態度を叱責した課長の坂戸が、パワハラで八角に訴えられて左遷させられてしまった。
空席の営業一課 課長には売上未達の第二課 課長の原島が据えられた。課長が変わったことで営業一課の売上は下がり、営業会議で部長 北川に叱られる中、原島のパイプ椅子が壊れてしまった。北川は叱るのをやめ、会議を終わりにしてしまう。そんな中、経理部が営業部 八角の経費不正を役員会で指摘したが、北川は反発、社長も取り合わなかった。不審に思った原島は八角の行動を監視する。
八角は何を隠しているのか、会社はなぜ怠慢社員の八角をかばうのか、真相が明かになっていく。 売上未達の原島には激しい叱責を行う北川が、怠慢社員な八角に対しては何の叱責も行わない。それどころか八角の疑惑に対しても会社ぐるみで守ろうとする。
どんな理由があるんだろうか?弱みを握られているのか?御曹司?などどんどん流れに嵌っていきます。
それに壊れたパイプ椅子、意味ありげなシーンだけに気になりましたが、これがキーとなって話が進んでいきます。
映画【七つの会議】の見どころ・感想
見どころは後半の御前様会議です。池井戸潤さんのドラマファンであれば「待ってました」の配役だと思います。
どの人物も自分なりの正義の素に行動していて、自分が感情移入できるキャラクターが必ずいるはずです。
映画を見おわわった後でもその正義を貫けるかどうかを考えてほしい映画です。
私も電機メーカー勤務のため、この映画を見て、企業は誰に対して責任を取るべきなのか?なにが正義なのか?という点を考えさせられました。
どの人物にもそれぞれ正義を貫こうと思い行動していて理解できるので悪だとも思えず、考えさせられる映画でした。
映画【七つの会議】のキャスト
八角民夫(営業第一課 “万年係長” ):野村萬斎
北川誠(営業部長):香川照之
原島万二(営業部二課長 → 営業部一課長):及川光博
坂戸宣彦(営業部一課長 → 人事部付け):片岡愛之助
新田雄介(経理課課長代理 → 東北営業所 営業部):藤森慎吾
浜本優衣(営業一課員):朝倉あき
映画【マスカレード・ホテル】のスタッフ・制作会社
原作:池井戸潤『七つの会議』(集英社文庫刊)
監督:福澤克雄
脚本:丑尾健太郎、李正美
音楽:服部隆之
主題歌:ボブ・ディラン「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:東宝
制作プロダクション:マックロータス
製作幹事:TBSテレビ
製作:「七つの会議」製作委員会(TBSテレビ、東宝、毎日放送、CBCテレビ、ジェイアール東日本企画、毎日新聞社、電通、北海道放送、RKB毎日放送、朝日新聞社、オフィスIKEIDO、TBSラジオ、集英社、日本出版販売、TCエンタテインメント)
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